但馬国ねっと風土記

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専門家ではない視点からとらわれない最新の歴史から今を知る

【日本神話】 第1巻「創世編」 第4章 黄泉の国(よみのくに)

あらすじ 世界の最初に高天原で、別天津神神世七代という神々が誕生。これらの神々の最後に生まれてきたイザナギイザナミは、さまざまな神々を生み出していきましたが、火の神カグツチを出産した際にイザナミは火傷(やけど)で死んでしまいました。愛する妻を失ったイザナギはその怒りからカグヅチ(迦具土(加具土)神)を十拳剣で切り殺した(この剣に付着し、したたり落ちた血からまた神々が生まれる)。イザナギイザナミをさがしに黄泉の国へと赴くが、黄泉の国のイザナミは既に変わり果てた姿になっていた。これにおののいたイザナギは逃げた。イザナギは黄泉のケガレを清めるために禊ぎをした。

イザナミが亡くなってからしばらくの間、イザナギは一人で悲しんでいましたが、どうしてもがまんすることができなくなりました。そこで、死者の国まで妻をむかえに行こうと思いたちました。死者の国は、黄泉(よみ)の国といって、深い地の底にあるのです。

イザナギは、地の底へと続く長い暗い道を下りて行きました。ようやく黄泉の国に着くと、イザナギはとびらの前に立ち、イザナミに、自分といっしょに地上へ帰ってくれるよう、優しく呼びかけました。

「ああ、愛する妻よ、私とおまえの国造りは、まだ終わっていないのだよ。どうかいっしょに帰っておくれ」

ところが中からは、イザナミの悲しそうな声が帰ってきました。

「どうしてもっと早く来てくれなかったの。私は、もう黄泉の国の食べ物を食べてしまいました。ですから、地上へはもどれないのです。けれども愛するあなたのためですから、地上へ帰ってもよいかどうか、黄泉の国の神様にたずねてみましょう。それまで、私の姿を決してのぞかないでくださいね」

そう言われて、イナザギはじっと待っていましたが、いつまでたっても妻からは返事がありません。とうとう待ちくたびれたイザナギは、小さな火をともして、妻を探すために黄泉の国へと入っていったのです。

黄泉の国は、どこまでも真っ暗なやみが続いています。うす暗い灯りをもって、目をこらしていたイザナギは、思わず「あっ」とさけんで立ちつくしました。何とそこには、くさりかけてうじ虫がいっぱいたかっている、イザナミの体が横たわっていたのです。おまけにその体には、おそろしい雷神(らいじん)たちがとりついています。

「あれほどのぞかないでと言ったのに、あなたは私にはじをかかせましたね」

自分のみにくい姿をのぞかれてしまったイザナミは、かみの毛を逆立ててすさまじくおこりました。

イザナギをつかまえて、殺しておしまい」

イザナミがそう命令するや、黄泉醜女(よもつしこめ)という悪霊(あくりょう)たちが、イザナギをつかまえようと、あちらからもこちらからもわき出るように現れました。

イザナギは地上へ続く黄泉平坂(よもつひらさか)に向かって、必死に逃げました。イザナミ黄泉醜女たちは、すさまじい勢いでせまってきます。イザナギはけんめいに走りながら、かみに結んでいたかざりを放り投げました。するとかみかざりからはたちまち野ブドウの木が育って、たくさんの実がなりました。それを見た黄泉醜女たちは立ち止まって、実を食べ始めましたので、そのすきに、イザナギはどんどん走りました。けれどもしばらくすると、また悪霊たちが追いついてきます。イザナギは、こんどはかみにさしていたくしを放り投げました。すると、そこからはたけのこが次々に生え、黄泉醜女たちはまた立ち止まって、食べ始めました。

こうしてけんめいに逃げるイザナギの行く手に、ようやく地上の世界が見えてきました。しかし黄泉醜女たちは群れをなして追いついてきます。イザナギは片手に持った剣を後手にふり回して防ぎながら、ようやく坂のふもとまでたどり着くと、そこに生えていた桃(もも)の木になっていた実を三つもぎとって、黄泉醜女たちに投げつけました。すると、桃の実がもっている不思議な霊力(れいりょく)におそれをなした黄泉醜女たちは、みんな逃げ散ってしまいました。

けれどもイザナミは、まだ恐ろしい顔でせまってきます。ついにイザナギは、黄泉平坂に、千人がかりでないと動かせないような大岩を引っ張ってきて、それで黄泉の国と地上の世界の間をふさいでしまったのです。

追いかけてきたイザナミは、岩の向こうから大声で叫びました。

「これからは、あなたの国の人を、一日に千人ずつ殺しますからね」 「それならば、地上では一日に1500人ずつ子供が生まれるようにするよ」 イザナギは答えました。

こうして二人は別れ別れになり、地上の世界と黄泉の国とは、永久に行き来できない石のとびらでふさがれてしまったのです。けれどそれからというもの、亡くなる人よりも生まれる人の方が多くなり、地上の人は次第に増えるようになったのだそうです。

引用:兵庫県立歴史博物館「ひょうご歴史ステーション」・ウィキペディア

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